WBC日本代表候補の巨人村田修一内野手(32)が評価急上昇のバックスクリーン直撃弾を放った。山本監督ら代表首脳陣が宮崎キャンプを視察した9日、フリー打撃で代表候補の山口と対戦。推定130メートルの特大弾で当落線上の選考争いから猛アピールした。

 中堅フェンスまで122メートルの広いサンマリン球場も関係なかった。外角ベルト付近の球を強振。打球は加速度を増し、バックスクリーン右にぶち当たった。今キャンプここまで、センターに本塁打を運んだ選手はいない。“第1号”は村田だった。「感じよく振れている。バッティングは順調にきている」。直後にも中堅フェンス直撃の打球を放つなど23スイングで安打性4本と好内容だった。

 前回大会の4番打者も今大会はソフトバンク松田が正三塁手の構想。代表入りには現状打破が必要だ。移籍1年目の昨季は「つなぎ」の意識が高く、打撃が小さくなりがちだった。だが今年は意識も変わった。「(1発が)最大のチームプレー。ひと振りで1点ですから」。豪快さを取り戻しつつあり、山本監督も「去年とは違う」と印象を変え、当落線上から評価を上げた。

 豪快な一撃だけでなく、手痛いハプニングも待っていた。フリー打撃後の守備練習で飛球を捕球しようとした時に右手中指にボールが直撃。ツメが割れて流血し、そのまま退いた。「指を突いた。割れて血が出ている。かなり痛いです」。普段は丁寧に取材対応する男が足早に車に乗り込み、病院へ。診察の結果、骨には異常がないが、今日10日の練習は状態を見て判断し、11日の紅白戦には多少の影響が残る可能性がある。

 5日のフリー打撃対内海でも左越え本塁打を放つなど調整自体は順調。肉体を整えて、代表入りへ存在感を示し続ける。【広重竜太郎】