侍ストッパーは任せろ!

 WBC日本代表候補の抑えに指名されている中日浅尾拓也投手(28)が13日、3日ぶりにブルペン投球を再開し、張りを訴えていた右肩の不安を一蹴した。WBCでは専属トレーナーを帯同し、徹底的に肩をケアすることも判明。今日14日、日本代表合宿が行われる宮崎に入る。

 力強いボールが北谷球場のブルペンに戻ってきた。右肩の張りで投球練習を控えてきた浅尾が、3日ぶりにブルペンに復帰。肩の動きを確認するように21球を投げた。今日14日には合宿が行われる宮崎に出発するため、この日が中日でのキャンプ最終日。万全の状態ではないとは言え、これで侍の一員として戦うメドが立った。険しい表情を浮かべていた右腕もひと安心。前向きな言葉を並べた。

 「(張りが)残っている部分はあるけど、大丈夫。1回ペースは落としたけど、ここから良くなると信じてやっていきたい」

 球団は入団以来、浅尾の体をケアしてきた金村将典トレーナー(36)を、中日選手の専属トレーナーとして代表チームに同行させることを決めた。過去の同大会で専属トレーナーを派遣した例はなく、球団としては初の試み。佐藤球団代表が「チームトレーナーが来ているだけでも気持ちが全然違う」と説明するように、まさに守護神の守護神といえる。

 復活を証明した浅尾にとって、金村トレーナーの存在は大きい。WBCに合わせてハイペース調整を続けていたこともあり、疲労が蓄積している。実戦登板なしで代表合宿に臨むこともあり、精神的な不安もつきまとう。遠慮せずに体のケアを頼んだり、相談に乗ってもらえる同トレーナーが肉体的、精神的に大きな支えとなるのは間違いない。

 ここからは、世界が相手。「すごい大会なので、なんとか選ばれるように頑張りたい。自分の力をすべて出したい」。最強のパートナーを得た浅尾が、日本のために力をふりしぼる。【桝井聡】