マー君、マエケン、そして能見で3本柱!

 WBC日本代表の阪神能見篤史投手(33)の先発登板が決定的となっていることが20日、分かった。最終メンバー28人入りを決め、1次ラウンド3戦目となる3月6日キューバ戦(ヤフオクドーム)で先発する可能性が高い。前田健が右肩の不安を払拭(ふっしょく)できないようなら、2戦目の中国戦(ヤフオクドーム)に先発する可能性も出てきた。

 能見が出世街道に乗り、一気に侍ジャパンの中核に座った。当初は先発の後を担う「第2先発」、または中継ぎ起用が予想されていたが、首脳陣が先発昇格プランを描いていることが判明。田中、前田健とともに3本柱を形成するもようだ。

 練習後、日本代表最終メンバー28人が発表された。当然、能見も名を連ねていた。すでに当落線上からかけ離れた存在となっていた。今や代表投手陣の軸となり得る立場だ。前日19日、山本監督は「しっかり投げているピッチャーもいるし、心配なピッチャーもいる」と話していたが、能見は明らかに前者。WBC本大会では1次ラウンド3戦目となる6日キューバ戦で先発する可能性が高い。

 一方で右肩不安を抱える前田健が先発構想から外れる可能性も浮上。仮に前田健が右肩の違和感を消し去れないままなら、能見が2戦目の中国戦に先発する可能性も出てくる。その際はキューバ戦の先発を内海、沢村らが争うことになりそうだ。

 侍ジャパンデビュー戦となった17日の強化試合・広島戦から状況が一変した。田中や前田健、内海らが本来の実力を発揮できない中、2番手で2回を3奪三振で無安打無失点。首脳陣をうならせた。登板翌日の18日は体の張りもあり、大事を取って一部メニューを回避。慎重に調整を進め、状態に問題はない。

 この日は木の花ドームでブルペン入り。広島戦では硬いマウンドで直球の制球に苦しんだこともあり、WBC仕様で硬めのマウンドを選択した。「(マウンドは)全部硬いですしね」。スライダー、チェンジアップ、フォークも交えて101球。直球は威力十分だった。

 ダッシュ途中には与田投手コーチと話しこむ場面もあった。首脳陣からの信頼は確実に高まっている。17日広島戦後には「(投げる場所は)僕がどうこう言うのはない。しっかりとチームに貢献できれば、どこでも投げるつもりでいる」と決意を語っていた。WBCに向けて早めに準備を重ねてきた左腕が、侍ジャパンの幹となる。