WBC日本代表の、2次ラウンド先発ローテーションが固まった。今日8日の初戦台湾戦に能見篤史投手(33)、第2戦には前田健太投手(24)を送る。敗者復活戦に回った場合、大一番となる第3戦(11日)は、内海哲也投手(30)を最有力とし、対戦相手などによって対応する。好調を維持する左右の3枚でアメリカ行きの切符を手にする。

 能見、マエケン、内海。侍ジャパンの投手陣で最も頼れる3人に、2次ラウンドの命運は託された。ダブルエリミネーション方式を採用する変則トーナメント方式。万が一、今日8日の台湾戦を能見で落としてしまったら、9日の試合が剣が峰になる。初戦に勝てば第2戦は10日。ラウンド突破がかかる。試合日が1日ずれるが、前田健の先発は変えない。

 前田健は右肩の不安で心配されたが、3日の第1ラウンド中国戦で5回を被安打1、無失点と好投した。東京ドームで行われた7日の全体練習では、ブルペンで約40球の投げ込みを行った。「プレッシャーの中で結果を出せて、自信になる。感覚は良くなっている。外国人が相手でも、自分のスタイルで投げたい」と意気込みを語った。

 第3戦は、内海の先発を軸として調整を進めている。内海は3日、前田健の後を受け中国戦の2番手で登板。1回2/3を無安打、無失点と完璧だった。合宿から調子を上げて本番に入った上、6日のキューバ戦の登板をにらみながらの難しい調整でも結果を出した。首脳陣の評価は高く、先発枠に入った可能性が高い。内海はこの日、外野で変化球を交えたキャッチボールなどを行い調整。「データと照らし合わせながら、これからじっくり考えたいです」と話した。

 最も難しい調整を強いられるのが第3戦でもある。2連勝でアメリカ行きを決めた場合は、12日は第1、第2代表決定戦となる。このケースならば、胸を張って思い切り投げるだけ。だが苦戦を強いられ、3戦目が11日の敗者復活戦となった場合がやっかいだ。対戦相手は、10日の2回戦が終わる同日夜まで分からない。

 調整能力の高い内海に白羽の矢が立つのは自然の流れで、仮に右投手を先発に送った方が有利な相手となった場合は、同じく調整能力のある摂津が先発する公算が大きい。複雑な2次ラウンドの勝ち上がりに対応できる猛者を起用し、激戦を勝ち抜ける。