WBC日本代表の山本浩二監督(66)が大会3連覇へ向け、不調選手の「試験運用」を実施する。今日12日、突破を決めた2次ラウンド(R)の1位決定戦オランダ戦に臨む。17日(日本時間18日)に米サンフランシスコで始まる決勝トーナメント(T)に向け、スランプに陥っている長野久義外野手(28)らを、復調機会を与えるために先発起用する見込み。侍ジャパンは11日、東京ドームで自主練習を行った。
眠っている侍たちを、目覚めさせる。侍ジャパン首脳陣が、今日の1位決定戦で大会3連覇を逆算して手を打つ可能性が高くなった。山本監督は先発メンバーについて「分からない。明日(12日)決めるよ」とぼかしたが、チーム力アップのための策を用意することになりそうだ。その1つが、低迷している選手の抜てき。当初は主力級と想定していた戦力の復調を狙い、出場機会を与えるプランを温めている。
決勝Tへの進出決定から一夜明けて、照準は米サンフランシスコでの決勝へと動きだした。前夜はWBC大会タイの6本塁打など、16点でオランダに圧勝して米国への切符を勝ち取ったが、山本監督は気持ちを切り替えていた。「昨日のような試合には、そんなにはならない。続いてくれたら、ありがたいけれど。足を使って、守って、投手力で(の戦い)になる」。チーム結成当初の、メンバー編成したころの原点に立ち返った。決勝Tを勝ち抜くには基本戦略の「つなぎ」だと、あらためて悟った。
必勝を期しながらも、日本での今大会の最終戦を今後の試金石にしたい構想がある。山本監督は「やってきた野球をやる。メンバーがどうあれ…」と、現時点でのベストメンバーを組まない可能性を示唆。打率1割6分7厘(12打数2安打)の長野、いまだ無安打の松井、角中ら波に乗れていない現有戦力がいる。特に深刻な長野には「上がってきてほしい」と願っており、出場機会を多く与え、好転するきっかけづくりをアシストする考えもありそうだ。
1次Rで右ひざに違和感を訴えた阿部を指名打者に配置するなど、静養も含めて戦力バランスを整えて米国へ乗り込む。立浪打撃コーチは「体の状態が悪い選手を休ませて、それ以外で行きたい」と話した。山本監督はこの日朝、コーチとして支えた08年北京五輪監督の楽天星野監督へ電話。当時を回想して「お前の気持ちが分かったわ。とりあえず(米へ)行けるわ」と報告し、気持ちを新たにした。余剰戦力を覚醒させ、盟友とは果たせなかった夢への道筋をつくる。【高山通史】



