【フェニックス(米アリゾナ州)12日(日本時間13日)=高山通史、四竈衛、佐藤直子通信員】侍ジャパンが超厳戒、VIP待遇で大会3連覇へ再スタートを切った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンド(R)1組を1位通過した日本代表・山本浩二監督(66)らスタッフ、28選手が調整先の当地入り。人気歌手マドンナが宿泊したこともある高級ホテル側の計らいで一般人、報道陣を屈強な警備員らで完全シャットアウト。ピリピリムード全開で、13日に全体練習を再開。サンフランシスコで17日(同18日)からの決勝トーナメントに備える。

 闇が深くなったフェニックスの中心地に、侍たちが物々しく現れた。午後10時30分。大型バス3台に分乗。5台の白バイに先導され、ホテルに入った。玄関前に集結した報道陣とやじ馬を、こわもての警備員たちが徹底ガード。「動くな!」と殺気だった声も飛ぶほどの厳戒ムードだった。山本監督だけが「長旅だった。明日から時差調整に励みたい」との一言を残して、チェックインした。主将の阿部は足早に、中田もグッタリした表情。田中は足元が見づらかったのか、転倒しそうになるシーンもあった。

 前線基地となる4つ星の高級ホテルが、侍を完全ガードする。今回のアリゾナでの調整期間の滞在先は、直近で歌手のマドンナらも宿泊したことがあるという高い格式を持つ。数々の有名人らVIPの受け入れにたけており、完全にプライベートを守れる態勢が整っている。日本代表が宿泊することは明白であるにもかかわらず、ガードマンの1人は「マドンナについても肯定ができないが、否定はできない。日本代表が泊まるかどうかについても、何も言えない」と貝になった。まさに“マドンナ級”の警戒シフトで、最善の環境づくりをする姿勢だ。

 前日12日のオランダ戦後、羽田空港に移動。羽田空港からの出発は、荷物の積み込みなどに手間取って予定より1時間も遅れた深夜2時30分ごろに出発。その影響で到着も1時間遅れた。あるチーム関係者は「全然、チャーターの意味がなかった」と苦笑い。今回は海外の航空会社を使用したためビジネスクラスの席が足りず、一部選手がエコノミーでの移動を強いられた。慣れない試合後の移動で疲労困憊(こんぱい)だっただけに、VIP待遇の受け入れは追い風だ。

 今日13日(同14日)にスコッツデールで練習し、14日(同15日)にジャイアンツ、15日(同16日)にカブスと練習試合を行う。上り調子の長野の起用法を探るなど、相手こそ決まっていないが、決勝Tへ向けて戦略の練り直しも必要だ。まずは「マドンナ・シフト」で、張り詰めた緊張感をリセットし、世界の頂点を狙う。