「ラスト侍」ソフトバンク武田翔太投手(23)が、日本ハム大谷からの「おわびメール」に燃えた。侍ジャパン小久保裕紀監督(45)は4日、宮崎市内でソフトバンクキャンプを視察後、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に不参加となった大谷に代わり、武田を選出したと発表した。背番号は「30」。

 練習前には、ソフトバンク工藤監督と会談し、直接了承を得た。「(武田に)一緒にやろうと話したら、準備してましたという言葉をもらった。心強い」と歓迎。起用法は先発と明言。「大谷が先発の一角として考えたところに、その代わりに武田が入る」と、同じ役割を期待した。1次ラウンド最終戦となる3月10日の中国戦、同12日の2次ラウンド初戦を候補に、先発を任せるとみられる。

 武田は、大谷とはメールで連絡を取り合い、この日の朝も米アリゾナ州に向けてメッセージを送った。「シーズンに合わせてくれたらいいと伝えると、申し訳ないという感じでメールが来た。そんな、謝らなくていいのにと思った」と意気に感じた。「彼は真面目なので。(辞退は)彼なりの判断。悔しいだろうと思うし、その分も頑張らなければいけない」と気持ちを奮い立たせた。

 自主トレ中はWBC公式球とNPB公式球を1日おきに使い分けた。「小久保監督からは、もし何かあった時は先発の1番手と言われてました」と気持ちは切らさなかった。14年の日米野球、15年のプレミア12に出場するなど小久保ジャパンの常連。縦に大きく割れるカーブは、国際舞台でも大きな力になる。

 「日本のボールと違って変化の違いはある。僕の球はもともと動くので武器になる」と、屈強な外国人対策のイメージをふくらませる。傷心の大谷の分まで、侍の役割を全うする。【前田祐輔】