これぞ4番だ。広島鈴木誠也外野手(22)が13日、今キャンプ初の紅白戦で初めて4番に座り、2安打2打点と活躍した。次代の4番と期待する緒方監督の期待に応えた。11日のシート打撃でも3打数3安打を放っており、仕上がりは順調だ。WBCへの準備とともに、広島打線の中軸を担う準備も着々と進んでいる。

 今季中の「4番鈴木」に現実味が帯びてきた。ひそかに4番起用を描いていた緒方監督が、今キャンプ初の紅白戦で実行に移した。初の抜てきで2安打2打点と結果を残した鈴木の姿に、緒方監督は満足げ。練習後のコメントには、その本気度がうかがえた。

 緒方監督 意識的に4番目に置いている。4番目の打者として、慣れてもらおうと思って。4番に育成するための1年ではなく、優勝にむかっていく。4番目に入ったときに結果を残し続ければ、そのまま居座り続けるだろうし、プレッシャーに感じれば外してあげないといけないだろう。

 我慢して起用するつもりはない。奪い取って初めて4番で起用する。鈴木は最初のテストで結果で応えてみせた。2回だ。2死二、三塁から薮田の直球を捉えた打球は三塁上本のグラブを襲った。4回も無死一、三塁の得点圏で中村祐の緩い球に対し、軸足に重心を残したまま左翼前へはじき返した。2打席連続適時打。前回11日のシート打撃で課題に挙げていた変化球にも対応した。「トップができていれば、ああいう残り方ができる」。珍しく打撃内容にも満足していた。

 昨季は主に5番を任された。4番での出場はない。「やることは変わらない。チャンスでより多く回ってくることでプレッシャーはあるかもしれないけど、長打を打たないといけないとは考えない」。新井、松山、エルドレッドら4番争いのライバルは多い。だが、WBCに出場する侍ジャパンでもポイントゲッターとして期待される若コイが、チームの中軸に座る日もそう遠くない。【前原淳】