侍ジャパンの中日岡田俊哉投手(25)が初実戦でパニックを乗り越え無失点に抑えた。19日の楽天との練習試合(北谷)で8回から登板。WBC球を使用し、「初球が抜けてあれっと思った」と高めに浮いた。いきなり先頭から2四球を与えて無死一、二塁とした。

 自らつくった最大のピンチ。「2四球を与えてから、加藤と亀沢さんが来てくれて間ができた。ゆっくり考える時間ができた」。昨年11月の侍ジャパンの強化試合ではタイブレークなどで好投した左腕は、気持ちを切り替えた。「ゴロを打たせないといけないと思った。だからシュートで」。三好を三ゴロ併殺、枡田を二ゴロと打たせて0点に封じた。きちんと解決してベンチに戻った。

 森監督は「侍ジャパン、WBCに選ばれている投手ですから、ああいうことはしないようにというお手本をみんなに見せてくれたんだと思う。元気に帰ってきて、本領発揮してくれればいい」とチクリ。もちろん岡田も「(乱調は)最初で良かった。しっかり仕上げていきたい」と反省しきりだった。

 17日に侍ジャパンの権藤投手コーチが北谷球場を訪問すると、「大変恐縮ですが、困ったときに自分の名前を挙げてほしいです」とお願い。初実戦では「困ったとき」を自分でつくってしまったが、失点は防いだ。中継ぎ左腕はジャパンでも「ピンチをしのぐ」侍となるべく、状態を上げていく。【宮崎えり子】