キレッ、キレッで貧打解消だ!! 侍ジャパンの野手陣が“特走”を敢行した。26日の全体練習の最後に侍ジャパンの稲葉打撃コーチがナインを集めた。「ここに来てキレが足りない。キレを出すためにダッシュをやる。1歩目がすごく大事だから惰性にならずにきっちりやろう」と指示した。20メートル×10本と10メートル×10本のショートダッシュが伝えられると元気印の松田の「よっしゃ、行こう!」を合図にスタートラインに並んだ。

 先頭に陣取ったのは松田と小林。2列目は筒香と中田が続いた。最後尾は山田と秋山。稲葉打撃コーチの指示通りスタートは力強く土を蹴り、ゴールまでの全力疾走を繰り返した。前日25日のソフトバンクとの練習試合では4安打の完封負け。打線はつながりを欠くどころか終始、沈黙した。貧打解消への足掛かりとして同コーチは体のキレを呼び起こすためにショートダッシュをメニューに加えた。

 本数が進むごとにキレだけではなく活気も出てきた。10メートルダッシュの9本目の前に小林が「10本目行きます!」と叫ぶと、稲葉コーチがすかさず、突っ込みを入れ「じゃんけんで勝ったら9本で終わり。負けたらプラス5本」と提案。“神ってる”鈴木が「(勝負強さを)見せられました」と、代表でじゃんけんに勝利し、ナインは大盛り上がり。松田は「全員が結果を出すために必死こいてやっている。福岡では代表らしい試合をしたい。勝つことは日の丸を背負っている使命」と力強く締めた。本番まで残り4試合。28日から台湾プロ野球選抜との壮行試合に臨む。侍打線が走って、神って、打って、勝つ。【為田聡史】