世界一奪還を目指す侍ジャパンが16日、決勝ラウンドの地、米国へ飛び立った。都内のホテルを出発する前、小久保裕紀監督(45)は「準決勝がまず全て。全ての策を練ろうと思います」と、現地時間21日(日本時間22日)にロサンゼルスで行われる一戦に照準を定めた。

 4強入りの余韻に浸る暇はなかった。「ゆっくり眠れるかと思ったが、眠りは浅かった。次の戦いのことで頭がいっぱい」。対戦国はドミニカ共和国、米国、プエルトリコ、ベネズエラのいずれか。メジャーリーガーをそろえる猛者たち相手にいかに勝ち抜くか。思案をめぐらせた。

 準決勝の先発は千賀に託す可能性もある。15日イスラエル戦では5回を1安打無失点に抑える好投。準決勝は柱の菅野というプランもあったが、今大会3試合に投げ計9回を無失点という抜群の結果を残している。現地時間18、19日のカブス、ドジャースとの練習試合は登板機会の少なかった藤浪、武田の先発が有力。「中継ぎ陣は全員どちらか1試合で投げてもらう。(準決勝、決勝の先発は)本人の調整を優先する」とした。乾燥した気候への対応も含めて調整を進め、投手層にさらなる厚みを持たせる構えだ。

 世界一まで残り2勝。小久保監督は「出てくる国は顔と名前が一致するバリバリのメジャーリーガーたち。球場の雰囲気にのまれず、相手選手に名前負けしないことが大切になってくる。我々は乗り込んでいく立場。より強い結束力を持っていかないといけない」と引き締めた。挑戦者としての決意を胸に、決戦に挑む。【佐竹実】