囲み取材後に録音した音声を、英語の分かる記者に訳してもらって分かった。世界一有名といわれるホットドッグを食べることを真っ先にアドバイスされた。ん? 世界一になるには、なんでも世界一のものを制しなさいということか…。囲み取材が終わり、再びマドン監督をつかまえた。また、事前に調べた英語で聞いた。他には何かありませんか?

 マドン監督 !$%&…

 英語が分からない。固まっていると、救世主が目の前に現れた。ムネリンだ。メジャーで大人気者となった川崎が、試合前にもかかわらず、通訳を買って出てくれた。

 川崎 ヒー イズ ニューズペーパー ライター

 まずは、記者のことを紹介してくれた。ありがとう、ムネリン。助かる。それで、どんなことを言ってくれているのですか?

 川崎 ドジャー・ドッグを食べることと赤ワインも有名だから飲むこと。焼酎も大事だ。

 後で分かったが、焼酎はムネリンが付け加えたアドバイスだったらしい。ただ、重要なキーワードを通訳してくれた。

 川崎 歴史のある球場だから、楽しんでほしい。楽しむことが大事だ、と言っているよ。

 大一番でも、その場の雰囲気を楽しむ「遊び心」が重要だと説いてくれた。昨季は「ヤギの呪い」なども解いて108年ぶりの世界一に導いた。侍ジャパンの「準決勝の呪い」も解いてくれそうな、世界一の知将の金言だ。そして、もうひと言付け加えた。「あまり焦るな。ゆっくりいこうぜ。日本の野球は基礎がしっかりしているから」。マドン監督に言ってもらえると心強い。【木下大輔】