侍ジャパンを迎え撃つ米国が、初の決勝進出へ並々ならぬ決意を見せた。決戦前日の20日(日本時間21日)、公式会見でジム・リーランド監督(72)は「この大会を思い出にしよう。願わくば、一生忘れられない思い出に」と、念願の世界一へナインを鼓舞したことを明かした。映像などで日本の情報収集を進める一方で、「細かいことよりも、自分たちの強みを出すだけ」と、真っ向勝負で臨む姿勢を見せた。

 予告先発のタナー・ロアーク投手(30=ナショナルズ)は、昨季16勝、防御率2・83の実績を持つクセ者右腕。ツーシームを中心にボールを自在に動かし、ゴロの山を築く。11日のドミニカ共和国戦(1次ラウンド)では2番手で救援し、1回1/3、3安打3失点と崩れたものの、その後はブルペン投球などで調整に専念。中9日での登板にも「状態はいい。ストライク先行の投球をする。すべてを出し切りたい」と自信をのぞかせた。

 過去の日本との対戦成績は1勝1敗。特に、同じドジャースタジアムで行われた第2回大会の準決勝で完敗しただけに、雪辱を期す思いは強い。寄せ集め集団ながらも選手、スタッフで食事会を行うなど、結束力は過去最強。リーダー格のアダム・ジョーンズ外野手(31=オリオールズ)は「一緒に戦ううちに、軍隊のようにまとまってきた。全員が“オレ”ではなく“我々”と話すようになった。個を犠牲にすれば、このチームにすばらしいことが起こる」と、団結の固さを強調する。パワーに統率力を兼ね備えた米国が、本場の威信をかけて大勝負に臨む。