第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の決勝戦は、米国がプエルトリコに完勝し、念願の初優勝を飾った。先発マーカス・ストローマン投手(25=ブルージェイズ)が、6回まで無安打の快投。打線も効果的に得点を加え、危なげなく難敵を振り切った。

 身長173センチと米国代表でもっとも小柄なストローマンが、大会MVP(最優秀選手)に選ばれた。重圧のかかるマウンドで、6回まで無安打無失点。7回裏、先頭に二塁打を浴びて交代したものの、ベンチへ向かう際には、総立ちの拍手で出迎えられた。

 表情には、まだあどけなさの残る25歳。それでも、マウンド上では持ち前の強心臓ぶりを発揮した。「こういう雰囲気、大きな試合で投げることが大好き。おそらく今までで最大の試合だったかもね」。2回裏、先頭へ四球を与えても、後続を併殺に仕留め、ピンチを未然に防いだ。投球フォームのタイミングを微妙に変えながら、リズム良くアウトを重ね、米国初Vへの道筋を整えた。

 今回の代表投手陣では最年少。チーム内では「いじられ役」でもある。「信じられないような経験。4年後も戻ってきて、連覇するよ」。次回大会では、エースとして米国を引っ張るつもりだ。