新日本プロレスの人気レスラー、真壁刀義(44)は、昭和の匂いをプンプンさせたプロレススタイルや、スイーツ真壁というキャラに加え、発信力という強力な武器で、新日本の人気に貢献している。新日本の人気回復の陰には、レスラーたちのSNSを使ったPR活動があると言われているが、真壁はそれをけん引する役割を果たしている。そのツイッターは、フォロワー数12万人を超す人気だ。

 真壁はツイッターを毎日発信している。内容は練習や食事などその日の活動や、大会のPRなど多岐にわたる。その中で特に多いのが、ファンの誕生日に対するやりとりだ。ファンが誕生日に真壁のツイッターに投稿すると、必ずおめでとうコメントを返している。丁寧な対応に、人柄がにじみ出ている。

 真壁がツイッターをやるようになったのは、新日本の木谷高明オーナーとの出会いがきっかけだった。12年に新日本を買収した木谷氏と、買収の数日前に対面したという真壁は、木谷氏からSNSの大切さを説かれたという。「木谷さんの話を聞いたら、オレたちがバカにしていた秋葉原のオタクが、実は世界の最先端をいっていたことが分かったんだ。木谷さんのような人がうちの社長をやればいいのにと思ったら、本当になっちゃった」。

 木谷氏が新日本の社長になってから、ツイッターを奨励し、フォロワーが多くなったレスラーには賞金を出したという。真壁も、毎日のようにツイッターでつぶやいた。それが、「スイーツ真壁」という新しいキャラクターにつながり、女性人気をつかむことにもなった。

 プロレスでは、徹底して棚橋弘至や中邑真輔といったスターの敵役を演じた。嫌われ役を認識していたが、気がついてみると棚橋や中邑と同じように声援を集める人気レスラーになっていた。武骨なプロレススタイルに加え、ツイッターでの発信力がファンの心を捉えた結果だと思う。

 今年はデビュー20周年。年齢は45歳になり、新日本プロレスの歴史と同じ年になる。1月22日のツイッターで真壁は「道場なう。レスラーの心構えを説かれる若手を見て思う。今は非力でムカつくだろうが、いずれ分かる時が必ず来る。ソノ日が来なければ人々が夢を託せない単なるレスラーになったというコトだ。今を踏ん張って頑張れぃッ」と、若手レスラーにエールを送っている。「雑草」真壁らしい言葉だ。【プロレス担当=桝田朗】