大阪都構想の賛否を問う住民投票は、わずかに反対票が上回った。大阪市民の記者は出張前に期日前投票を済ませ、17日夜は東京のホテルで行方を見守った。

 角界の元市民の注目も高く、浪速区出身の富士ケ根親方(50=元小結大善)は「接戦で気になり遅くまでテレビを見てました」。16歳で大阪を離れたが、今も春場所担当で強い関わりを持つ。都構想が否決されても「春場所の影響は特にない」と話すが、大阪の未来には「お年寄りに優しい街になって欲しい」と願う。

 東淀川区育ちの十両格行司木村隆男(39=田子ノ浦)は「僕は反対派だけど、橋下さんで財政も良くなっただけに辞めるのは寂しい」と複雑。三役呼び出しの克之(51=芝田山)は鶴見区出身で、住民投票に「賛成、反対で決めるものか」と疑問を呈し「大阪のええとこは、明るさと人情味。ええ街になってくれたら」と話した。

 大阪市生まれの現役力士は11人。出世頭は平野区生まれの大翔丸(23=追手風)だが、土俵に集中する新十両の今場所は「それどころじゃない」が本音だ。詳しい内容も「分からない」と正直にいう。それでも「大阪が良くなれば」と、角界の先輩と同じく故郷に思いをはせた。【木村有三】