国技館内に設置されている電光掲示板が、30年ぶりに新装された。外観は同じだが、照明が節電効果のあるLEDライトに変更。決まり手の掲示は、以前なら表示できなかった珍手なども加わり、全92種類が表示できるようになった。文字も明朝体から相撲字に変わり、より大相撲らしい雰囲気になった。

 2度の再建を経て、現在の国技館が建設されたのは1985年。電光掲示板もその時に造られたもので、30年も稼働してきた。現在では替えの部品がなくなり、老朽化の側面からも改修に踏み切った。

 今年1月にはイス席から急病人などを下ろすための一部エレベーターが2階席まで伸びた。正面玄関前の入場券売り場では先月から、チケットの売れ行きを示す一覧表が電光掲示板に変わり、過去の映像も流すなど、新たな試みも次々と行われている。

 初場所から満員御礼が続き、相撲人気が復活している。その一因には、国技館を少しずつ改良するなど、観客に配慮する姿勢もあるかもしれない。日本相撲協会広報部は「初めての方も多いし、見られるところですから。これもおもてなしです」と話している。【桑原亮】