初場所も終盤を迎え、気が引き締まってくるのが、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の担当親方だろう。12日目から富士ケ根(元小結大善)中立(元小結小城錦)中川(元前頭旭里)親方らが、大阪へと出張した。

 春場所新担当部長の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は青森出身だが、近大に通っていただけに関西との縁は深い。現役時代は81年に序ノ口優勝、82年の新十両、83年の新入幕とも春場所。「大阪ではよく応援してもらいましたよ」と懐かしがった。食い倒れの街と言われるだけに「ふぐはよく食べたね。てっさ、てっちりもね。あとは、鶴橋の焼き肉。何せ食べ物がおいしい」と「食」の思い出も焼きついている。

 昨年は15日間入場券が完売する満員札止めの盛況だった。伊勢ケ浜親方は「今年も全部売れてくれれば」と期待する。幸い地元関西の関取衆の顔ぶれも多士多彩。大阪勢は休場した豪栄道が心配だが、勢、大翔丸に宇良が加わり、兵庫勢は妙義龍と貴景勝に再十両確実の北はり磨。奈良出身の徳勝龍もいる。同親方の弟子で淡路島出身の照強は13日目に8敗目を喫したが、まだ十両残留の可能性はある。故郷に錦を飾るためにも、千秋楽が勝負だ。【木村有三】

※北はり磨のはりは石ヘンに番