大相撲観戦時、観客に取組表が配られる。裏面の一部にQRコードがあり、ロボコップでおなじみ振分親方(元小結高見盛)の笑顔が載っている。その下には「本気でガンバる爆笑動画、公開中!」とある。携帯電話をかざしてみた。すると、動画サイトYouTubeにつながった。振分親方が出演した永谷園「かにのちから みそ汁」の音楽に合わせて、東京・墨田区の東関部屋の前で縄跳びをする動画が流れた。

 同CMの関連企画として、16年5月から始まったもの。こちらの動画では、15秒のCMでは見られない映像が楽しめる。親方は縄跳びだけでなく、フラフープやけん玉にも挑戦。どれも、不器用ながらに一生懸命挑戦する姿に、自然と笑みがこぼれた。

 視聴者に元気を与える企画だが、本人には別の狙いもあった。「新弟子が欲しい。これがきっかけで力士に憧れてたくさん入って欲しい」と期待する。新横綱誕生などで、相撲への注目度は高い。しかし、新弟子検査の受検者は10年前の年間113人を最後に、100人を下回り続けている。きっかけは何であれ、角界の門をたたく人が1人でも増えれば、と切に思う。【佐々木隆史】