西幕下2枚目の岩崎(25=追手風)は、全勝同士だった大岩戸との幕下優勝決定戦に敗れた。優勝なら新十両が決定的となり、兄で木瀬部屋の十両英乃海(27)との兄弟関取が見えていた。兄弟関取なら13年秋場所での千代丸-千代鳳以来、史上18組目。同じ場所での同時関取なら史上13組目…。まだ来場所、十両に昇進できないと決まったわけではないが、支度部屋に戻る時には何度も天を仰ぎ、悔しそうにうめいた。

 番付は勝ち越しまたは、負け越した数に応じて上下する。一般的に6勝1敗の岩崎なら5枚上がると見込める。しかし“番付は生き物”。上位力士の負け越した数などによっては岩崎は十両に昇進できない可能性がある。ただ、幕下15枚目以内での全勝優勝なら十両昇進は決定的といわれる。岩崎が悔しがったのは、その好機を逃したからだ。

 岩崎の“兄”は他にもいる。日大時に3学年上だった平幕石浦と十両山口だ。2人が角界入りした後も、多い時には週5回食事をし、思うような相撲が取れない時には相談に乗ってもらった。それだけに「やりたいですね」と対戦を望んでいる。その背中を夢中で追いかける。【佐々木隆史】