今場所の幕内最年少力士たちが、千秋楽の土俵を盛り上げた。20歳で同い年の平幕貴景勝-阿武咲の一番。貴景勝が気合の押し相撲で、初顔合わせを制した。

 平成以降、取組を行った2人の合計年齢が一番若かったのは、04年九州場所、05年春場所での稀勢の里(18)-安馬(20)の一番だ。2番目は92年初場所の貴花田(19)-武蔵丸(20)で、今回の取組は3番目に若い対決。20歳同士の対決は、07年夏場所での栃煌山-稀勢の里以来10年ぶり2度目となった。

 貴景勝は埼玉栄を卒業後の14年秋場所で、阿武咲は三本木農(青森)を中退して13年初場所で初土俵を踏んだ。角界入りの時期は違えど仲はいい。巡業では昼休憩になると2人仲良く過ごしていた。裸になって一緒に寝そべって、携帯電話で遊んでいる姿はまさに親友。しかし土俵の上では良きライバルだ。

 貴景勝は「同じ年で幕内唯一の同級生。最高の舞台でできるのがうれしい」と笑顔。阿武咲は負けて下を向いたが「互いに高めあっていければいい」と話した。共に2桁勝利を挙げた若獅子が、名古屋場所でも暴れ回る。【佐々木隆史】