アマチュア相撲で“ソーシャルディスタンス”を意識した、新たな取り組みが行われる。千葉・柏市相撲連盟が四股の美しさなどを競う動画コンテスト「全国相撲形競技大会」を企画。昨年からコロナ禍で多くの主要大会が中止となる中、子どもたちの日々の鍛錬を発揮する場を設けようと、大会関係者が運営している。21日まで動画を募り、22日から審査期間、3月7日に結果が発表される。

大会実行委員長で柏市相撲連盟理事長の永井明慶さんは「目標があるからつらい稽古にも耐えられるが、子どもたちには目標が何もない状況だった。子どもたちの励みになってほしい」と言葉に力を込める。関脇隆の勝や前頭琴勝峰を輩出した強豪の柏相撲少年団で指導者を務める永井さんは、コロナ禍による大会の中止でモチベーションが上がりきらない子どもたちを間近で見ていた。大学時代の相撲部の後輩とアイデアを出し合い、昨年11月ごろから大会を企画。相撲の魅力である「ぶつかり合い」はないが、空手などを参考に「形」の演技大会とすることで、相手と触れることなく順位を決めることができる。

大会で募る動画は3部門。幼児から中学生が対象となる。

<1>四股(60秒以内)

<2>ひとり相撲(90秒以内、相手がいるかのように取組を演じる)

<3>相撲クラブPR(90秒以内)

<2>ひとり相撲は、実際の取組のような相撲動作を求めつつ、自由な表現を許容している。大会公式のSNSが投稿したサンプル動画は、音声の解説付き。永井さんは「エア相撲では(ひとり相撲)自分が思っている相撲の動きを自由に表現してほしい。自由に自己主張をしてほしい」と求めた。<3>相撲クラブPRについては「今まで自分たちのクラブを宣伝する機会は少なかったと思う。私たちの柏でも、隆の勝や琴勝峰の存在を知っていても、クラブの存在は知らないという人も多い。競技人口が増えるきっかけになれば」と話した。

審査員は10人前後になる予定。現青森県議会議員で元関脇追風海の斉藤直飛人氏や、好角家としても知られるお笑い芸人「ナイツ」の塙宣之ら、バラエティーに富んだ審査員が、全国から集まった動画に目を通す。

大会実行委員会によると、優秀作品は大会公式のSNSなどを通じて公開されるという。「子どもたちの自己成長につながってくれれば」と永井さん。子どもたちの自由な発想を楽しみにしているという。【佐藤礼征】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)