本意ではない注目の集め方だった。場所前に大関正代が、熊本県宇土市で走る予定だった東京オリンピック(五輪)の聖火ランナーを辞退することを表明。日本相撲協会が新型コロナウイルス感染対策として場所前2週間の外出を原則禁止としており、走行予定の5月5日が夏場所(5月9日初日)の4日前にあたるためだった。

スケジュール調整の問題などを理由に、聖火ランナーの辞退者が相次いでいる。大役に前向きだった正代は「(辞退は)仕方ない」と受け止めつつ、他の辞退者との発表時期が重なり「タイミング的には嫌だった」と本音を吐露していた。

錦木(2019年12月18日撮影)
錦木(2019年12月18日撮影)

一方で聖火ランナーを務める協会員もいる。十両錦木(30=伊勢ノ海)は地元の岩手県盛岡市を、押尾川親方(元関脇豪風)は応援大使を務めるなどゆかりのある秋田県大潟村を走る。2人の走行日はともに6月上旬で、現時点では、予定通り走ることになっている。錦木は「僕もギリギリでOKだった」と明かす。「(正代の辞退は)しょうがないと思うけど、走れる力士は少ないので残念。自分はまず相撲を頑張りたい」と話した。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)