新生・荒磯部屋が第1歩を踏み出した。

13日の秋場所2日目。8月1日付で田子ノ浦部屋から独立した荒磯親方(元横綱稀勢の里)が創設した、荒磯部屋の全力士4人がそろって本場所デビューした。結果は3人が白星。国技館内で取組を見守った荒磯親方は「『荒磯部屋』って放送があった時はちょっとね。まぁ、いろいろ思うことがありますから」と感慨にふけった。

新部屋は出身の茨城・牛久市に近い、阿見町に建設中で、現在は仮住まいとして同県の筑波大内の稽古場を使用している。場所前には白まわしを締めて弟子らに胸を出した荒磯親方。白星を飾った西序二段36枚目西原(18)は、三番稽古をつけてもらったという。「教えは『場所中に一喜一憂しない』。師匠の現役時代の座右の銘だそうです」と元横綱稀勢の里の意志が引き継がれている。

荒磯親方の現役時代に付け人を務めていた、ベテランの東序二段38枚目足立(36)は「部屋のことは任されている。人数が少ない分、みんなで協力していきたい」と今はまとめ役を務める。弟子4人で出発した荒磯部屋。荒磯親方は「愛されるような強い力士を育てるのが目標。稽古場からしっかり教えていきたい」と抱負を語った。【佐々木隆史】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

播州灘(左)を引き落としで破る西原(撮影・鈴木正人)
播州灘(左)を引き落としで破る西原(撮影・鈴木正人)
荒磯親方(2019年9月29日撮影)
荒磯親方(2019年9月29日撮影)