群馬・高崎市のJR高崎駅西口から徒歩15分ほどの所にある台湾料理店「來來(ライライ)」は、夜が更けるにつれて地元客でにぎわいを見せる。魯肉(ルーロー)飯、ワンタン、台湾まぜそばといった定番メニューが並ぶ中で、異彩を放つのが「高崎ちゃんこ」。考案したのは、名古屋場所で初優勝を果たした小結逸ノ城(29=湊)の付け人を務めた元朱鷺ノ若(ときのわか)の永井史弥さん(37)だ。

17年に引退し、両親が営む創業36年の店を手伝っている。現役時に所属していた湊部屋ではちゃんこ番を務めたこともあり、店で提供されるちゃんこは逸ノ城らが食べていた部屋の味を再現した。肉、野菜をふんだんに入れ、塩、にんにく、ごま豆乳、トマト、カレーの5種類の味から楽しめる豊富さ。予約のみでも注文が殺到し「町中華にもかかわらず、一度に10~20人のお客さんが来てくれて大変好評です」と話す。

関取になった逸ノ城の付け人を約2年務め、稽古場で胸を出し、時には一緒にモンゴル料理を食べに行った。現役時代に交流を深めたことを思い出し、初優勝の時には自分のことのようにうれしかったという。土俵で奮闘するかつての仲間たちの活躍に刺激を受けながら、きょうも調理場に立っている。【平山連】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

JR高崎駅近くの台湾料理店「來來」で提供される「高崎ちゃんこ」
JR高崎駅近くの台湾料理店「來來」で提供される「高崎ちゃんこ」