WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司(30=帝拳)が、故郷秋田へ初の地上波放送にKOで応える。24日に都内のジムで練習を公開し、スパーリングを打ち上げた。5月1日のV4戦はフジテレビ系で全国放送され、世界戦6試合目にして秋田の茶の間にも届く。パワーアップした左の強打で、3連続KO防衛の勇姿を披露する。

 三浦はスパー2回で打ち上げた。その後もミット打ち、縄跳びなどたっぷり3時間汗をかいた。黙々と練習をこなし、報道陣に囲まれても足踏みを止めず、淡々と答えた。それが、テレビ中継の話になると、足を止めて目を輝かせた。

 これまで世界戦は5試合を戦った。衛星放送のWOWOWはあるが、地上波では秋田に放送が1度もなかった。王座奪取の試合も中継ではダイジェストで、深夜放送も関東地区だけだった。今回初めて、ゴールデンタイムに地上波で放送される。

 「初めてでうれしい。頑張っている姿、勇姿を見てほしい」。秋田からも応援団が駆けつけるが200人程度。ゴールデンウイークの最中で、予定の入っていた友人も多い。さらに「田植えの時期で、みんな忙しくて」と苦笑いだった。

 13年には日本人で史上3人目の海外防衛に、母校金足農に記念の石碑が建てられた。地元では偉大なヒーロー。会場の地元応援団は少ないが、秋田の茶の間に初めて剛腕ファイトが届く。

 あとは三浦がKOで応えるだけだが、自慢の左は破壊力を増している。外国人パートナーらと112回スパーで、早々に何度もダウンを奪った。「ケガで帰られては」とボディーにプロテクターをつけさせ、三浦に手加減させたほど。同門山中が完勝KOでV8を達成したばかり。「自分もスカッと勝ちたい」。フルラウンド放送予定もその必要はなさそうだ。【河合香】