「K-1 WORLD GP 2015 70キロ初代王座決定トーナメント」(7月4日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)のスーパーファイトで、ハメッシュ・ハキムと対戦するK-1 WORLD GP 55キロ初代王者・武尊(たける)が、インタビューに応じた。

-4月大会でK-1王者となり、初めての試合が決まりました。K-1のチャンピオンになって、どんな変化がありましたか?

 「K-1は世界に知られている大会なので、試合が終わってからの反響をすごく感じます。K-1でチャンピオンになってから、外国人の方などからFACEBOOKの友達申請が1日100件くらい来るんですよ。それが今でも止まらなくて、今日もずっと対応してました。そういう部分でもK-1という大会の影響力を感じますね」

-チャンピオンになる前となった後で全く違いますか?

 「はい。特にYoutubeで試合映像をアップされてからSNSでの反響が大きくなって、電車に乗ったり買い物したりしても『K-1見ました』と声をかけられるようになりましたね」

-K-1王者としての実感を徐々に感じていたわけですね。今大会への出場オファーを受けた時はどんな心境でしたか?

 「細かいけがはあったんですけど、1日3試合を戦った割にはダメージも少なくて、試合の2日後からはトレーニングを再開しました。だからすぐに試合したいと思っていましたね。僕は試合をしていたい方なので、試合が空いちゃうとテンションも上がらないので、すぐに試合が決まってくれてよかったです」

-けががなければ、オファーがある前から7月大会には出るつもりでしたか?

 「はい。機会があれば出たいと思っていました」

-対戦相手のハキムはムエタイベースで、カリム・ベノーイやディラン・サルバドールと同じフランスの名門Team Nasser Kの所属です。どんな印象を持っていますか?

 「ムエタイスタイルで右のパンチが強いと聞いていたのですが、試合映像を見るとアグレッシブな選手だなと思いました。戦績も39戦35勝(17KO)とKO率が高いし、パンチが強いうえにパンチからロー・ヒザ蹴りも出すので、自分に似たスタイルの選手かなと思いました」

-確かに試合映像を見ると、ムエタイスタイルにもかかわらず、かなりアグレッシブに戦うスタイルですよね。

 「そうですね。パンチとヒジでガツガツ前に出てくるタイプなので、客観的に見てもかみ合いそうな選手だな、面白そうだなと思いました」

-直感的にかみ合いそうだと思いましたか?

 「僕はディフェンシブな相手よりもバチバチにやれる相手と戦いたいので、こういう試合が組まれてうれしかったです」

-4月のワンデイトーナメントを制して、1選手として分かったことや気づいたことはありますか?

 「僕はトーナメントが始まる前から気持ちの勝負だと思っていたのですが『気持ちの勝負でどこまでいけるの?』と言われることも多かったんです。もちろんテクニックやパワーも鍛えているのですが、僕は気持ちで上に行きたいと思うし、絶対に気持ちで負けなければ誰にも負けないと思っていて、それをトーナメントで証明できたかなと思います。なおかつK-1で初めての軽量級のトーナメントが開催されて、軽量級ということで『KOが少ない。盛り上がらない』『普通の人よりも小さい人間が試合しても面白くない』とか言われていたのが、すごいムカついていたんです。だからお客さんがものすごく盛り上がってくれて、面白かったと評価してもらえて、55キロの激しさ・面白さや、他の階級に負けないすごさを証明できたと思うので、これからも55キロを一番激しい階級にしていきたいです」

-ずばりトーナメントが終わった時は「見たか!」と思いましたか?

 「はい。でもそれができたのも決勝に大雅選手が上がってきてくれて、どちらかと言うとディフェンスが得意でポイントを取る大雅選手が、気持ちを出してぶつかってきてくれたので、決勝戦でああいう試合が出来たと思います。これからも(大雅と)盛り上げていきたいですね」

-55キロは過去3大会の中でも最も盛り上がったと言っても過言ではないトーナメントでした。そのトーナメントを優勝してチャンピオンになったことで周囲の期待も高まっていると思います。K-1 WORLD GP 55キロ初代王者として、どんなものを見せたい、もしくは55キロをどうして行きたいと思いますか?

 「僕はトーナメントが始まる前から55キロの選手がライバルじゃなくて、他の階級がライバルと言っていましたが、チャンピオンとして55キロが一番面白いと言われるようにしなければいけないと思います。65キロのブラジル出身のある選手が『55キロのチャンピオンは…』みたいなことを言っていましたけど(苦笑)、そんなのチャンピオンになってから言えよって話で。70キロのチャンピオンが決まれば、K-1には4階級でチャンピオンがいることになりますが、55キロを一番輝く階級にして、僕がK-1を引っ張ります」

-65キロ王者ゲーオ・フェアテックスにも60キロ王者・卜部功也選手にも負けたくないですか?

 「そうですね。さっきも言った65キロの選手は他の階級のことをけなしていましたが、僕は他の階級の選手やレベルの高さもすべてリスペクトして、その上で55キロを一番盛り上げたいと思っています。だから他の階級には負けないです」

-ここからK-1王者としての新しいスタート・ストーリーが始まるという気持ちですか?

 「はい。K-1のチャンピオンになったということで、ここからがスタートだと思うし、K-1もこれからどんどん大きくなると思います。僕がその先頭に立って引っ張っていきます」

 ◆武尊(たける) 1991年(平3)7月29日、鳥取県生まれ。21戦20勝(12KO)1敗。168センチ。チームドラゴン所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。