「K-1 WORLD GP 2015 70キロ初代王座決定トーナメント」(7月4日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)のスーパーファイトで、第4代Krush60キロ王者・卜部弘嵩と対戦する闘士が、インタビューに応じた。

-1月大会でK-1デビューを果たして、どんな変化がありましたか?

 「試合が生放送されて、会場もデカくて、そして何よりK-1という大会で、そこで勝てたことが大きかったですね。いろんな人から連絡が来たし、普段は格闘技を見ない人からも『試合見たよ』と言ってもらいました」

-一時は引退宣言もあった中でのK-1参戦で、そこで勝てたことをどうとらえていますか?

 「K-1という舞台で、しかも復帰を決めたんだから絶対に倒さなきゃいけないという気持ちがデカかったです。その中で試合前に対戦相手が何回か変わって、不安な部分もありました。最終的に韓国のチャンピオンという肩書のある選手になって、韓国の選手は気持ちが強いじゃないですか。でも絶対に負けちゃいけないという気持ちになって、一度、引退を口にして、それを撤回してリングに上がるんだから絶対に『やってやる!』って思って戦いました。だから勝った瞬間、俺の死に場所はやっぱりリングだなと思いましたね」

-ご家族からはどんな言葉がありましたか?

 「うちの家族からは『KOでしょ?』『あそこで倒せないとダメでしょ?』ってダメ出しされて、代々木第2ですぐに反省会でしたね。みんなからは祝福されたのに…。まぁ、それも愛情の裏返しかな(笑)。でも子供たちは学校の先生に報告してくれて、学校の先生も生放送を見てくれていたみたいで、結構、反響は大きかったです」

-事前のインタビューでは「K-1に出ると言って静岡から上京した」とお話しされていましたが、静岡でも反響があったのではないですか?

 「地元の仲間たちからもたくさん連絡が来ました。地元に戻ったら財布を持っていなくても朝まで飲みっぱなしでした(笑)。それはそれですけど、みんなには俺がK-1に出るという夢をかなえたってことが伝わってくれたと思います」

-1月の試合が終わったあと、次の試合のことは考えていましたか?

 「すぐに試合をやりたいというよりも、1回いろいろリセットしたいな、と。2年連続で1月に試合をして正月がなかったので、家族からもブーブー言われちゃったんで。でも2月の終わりくらいからはしっかり練習していたし、春には試合をするつもりで準備していました」

-結果的に2試合連続でK-1からオファーがあったわけですが、話を聞いた時はどんな心境でしたか?

 「うれしかったですね。相手も相手なんで。これは俺が認められたってことだと思うので正直自分を褒めたいです。またこうやってK-1に呼ばれて、しかもこういう相手とやれるっていうのは俺だからかなって思います」

-なぜ自分が弘嵩選手の相手に選ばれたと思いますか?

 「多分本人が一番思ってますよ、なんで俺なの?って(笑)。1月にK-1に出た時も思いましたけど、今回はもっと思いました。でもそれはいいように考えれば……俺だからなんですよ。俺だから卜部選手の相手になったわけだし、闘士が卜部選手の相手に一番いいと思われて、それで試合が決まったというのは、そういうことだと思います」

-弘嵩選手にはどんな印象を持っていますか?

 「とにかく“持っている”なと思います。どれだけ押されていても倒すし。これは失礼かもしれないですけど、正直、弘嵩選手と(卜部)功也選手だったら弘嵩選手の方がやりやすいです。それは弘嵩選手がガンガン来るファイトスタイルだし、しかも運も持っているから。弘嵩選手はチャンピオンに相応しい選手だと思っています」

-ずばり下馬評では弘嵩選手有利の1戦だと思います。そういう試合に臨む心境はいかがですか?

 「今年の大相撲も逸ノ城選手が白鵬選手をぶっ倒したし、絶対王者なんてこの世にはいないんですよ。漫画じゃないんだから。そこで俺は運もあるし“持っている”と思います。何十戦やっている選手に、1戦しかやっていない選手が勝つのが格闘技。だから俺に恐怖心はないし、俺の方が失うものは何もないからバッチバチにやるだけです」

-しかも誰も予想しないことが起きるのがK-1のリングです。見ている人たちを驚かせたり、思ってもいない結末を見せたいですか?

 「4月のK-1を見てもそうですけど、試合までにやってきた技術を見せようとかうまい試合をしようとするより、最初からバッチバチに行って倒し合いする試合の方がみんな見ると思うんですよ。技術は大事だけど、技術うんぬんじゃなくて、リング上で殴り合いしてどっちが倒れるか? それが今一番大事なことですよ。倒し合いをして華があると思わせなかったらプロじゃないし、その華を俺は持っていると思います。俺は倒されても構わないっていう覚悟でリングに上がるし、ただその分、俺は倒しに行きますよ。腹をくくっている人間の拳は重いってことを7月4日に証明してやります」

-今大会では70キロの初代王座トーナメントがあり、各階級のチャンピオンたちがスーパーファイトに出場しますが、誰よりもK-1らしい試合を見せる自信はありますか?

 「断然あります。逆に俺はあのカードの中で輝こうと思うし、あの大会で俺と弘嵩選手の試合が決まったのなら、なおさらそういう試合ができると思います」

 ◆闘士(とうし) 1983年(昭58)8月22日、静岡市清水区生まれ。19戦7勝(3KO)7敗5分。BLUE DOG GYM所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ