ボクシングの東洋太平洋スーパーフライ級1位井上拓真(19=大橋)が今日6日、「通過点」の同級王座獲得を狙う。5日には都内で前日計量に臨み、対戦相手のヘラルド(23=フィリピン)とともに1回でパス。父の真吾トレーナー特製「すっぽんスープの雑炊」をおいしそうに頬張ると「過去最高の仕上がり。勝ちに徹して、流れの中でKOしたい」と表情を引き締めた。

 同席した兄のWBO世界同級王者・尚弥(22)は、プロ5戦目で初のタイトル戦に臨む弟に「KO」での勝利を熱望した。「自分も相手を倒す感覚をつかんだのは5戦目だった。拓真の強さをアピールするためにも倒すコツをつかんでほしい」と話した。(1)重心を下げて腰の入ったパンチを打つ(2)サウスポーの相手にジャブを意識させるという具体的なアドバイスも送ったという。

 初のメーンの舞台にも、拓真は「世界に向けた通過点。次につながる試合をしたい」と気負いはない。リングシューズ、トランクスはデビュー戦から使ってきた黒から、初めて赤に変える。「王者の色」を身にまとい、1個目のベルトをつかみ取る。【奥山将志】