Bブロックの中邑真輔(35)が永田裕志(47)から今大会初白星を手にした。ありとあらゆる切り返しを仕掛けるG1最長17年連続出場の大ベテランを16分26秒、ボマイェ3連発で撃破。同ブロックにはIWGP王者オカダ・カズチカ(27)とインターコンチネンタル王者後藤洋央紀(36)がおり、両者を破ってのベルト挑戦も視野に入れる。“無冠のV候補”が1粒で3度おいしい夏の頂点を狙う。

 ボマイェを狙えば、ニールキックで返された。カウンターの延髄斬り、バックドロップも食った。最後はローキックから、グラウンドとスタンドのボマイェ2発、あごを打ち抜く正調ボマイェを見舞い、中邑は永田を退けた。「でかい1勝だ。永田裕志だぞ!」。

 2月のインターコンチネンタル王座防衛戦でも勝った。「ベルトが懸かってなくても、オレらの世代にとっての永田裕志だ。ダメだ、あんまり褒めると調子に乗っちゃう」。初戦のアンダーソン戦黒星をカバーしておつりの来る初白星だ。

 無冠で臨むG1は、中邑にとって珍しくない。過去11度、王者で臨んだのはインターコンチのベルトがあった12年大会だけ。「楽しみたいね」という今夏、同ブロックにオカダ、後藤のIWGP、インターコンチ両王者がいる。2人に勝てば王座挑戦の“副賞”がある。そして4年ぶりの優勝へ。会心の初白星で、中邑が加速する。【加藤裕一】