新日本のIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(27)が、G1クライマックスで最強王者を証明する。7月18日に東京都内の明治記念館で行われた会見では、昨年の覇者で、全選手の標的となるオカダは挑発を受けながらも優勝宣言。王者で連覇という結果で、レベルの違いを見せつける。

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 G1開幕直前会見は、さながらオカダ包囲網の様相だった。まず、昨年決勝で戦った中邑から「Bブロックは各選手、IWGPとインターコンチネンタル王者の2人に勝てば、(次に挑戦できるという)副賞がついてくる、おいしいブロック」と挑発された。さらに、インターコンチネンタル王者後藤から「IWGP王者と白黒つける」とすごまれ、敵対するバレットクラブ高橋から挑発を受けた。

 それでもオカダは「IWGPヘビー級チャンピオンのすごさをみなさんに分かってもらえればいい」と軽く受け流した。今回と同じIWGP王者として臨んだ13年のG1は、序盤から3連敗するなど散々な内容で予選敗退。苦い思い出があるだけに、同じ失敗は王者のプライドが許さない。

 米国修行から帰国し一気にスターに駆け上がった12~13年。勢いと若さで突っ走ったオカダは、昨年のAJスタイルズ戦の3連敗や、今年の1・4東京ドームでの敗退からプロレスを見つめ直した。「以前は『プロレスラーらしくない体』と言われ喜んでいたけど、今は外見からレスラーっぽくありたいと思うようになった」と意識も変わった。

 今年は、映像配信サイト新日本プロレスワールドで、全19大会の模様が日本だけでなく世界へライブ配信される。「G1を世界に響かせることができる。新日本のIWGP王者は、簡単に負けられないんです」とオカダ。今年は世界を意識しながら、全力でG1を取りにいく。【桝田朗】