「K-1 WORLD GP 2015 ~サバイバルウォーズ~」(9月22日、東京・後楽園ホール、日刊スポーツ新聞社後援)で、本戦デビューが決まったK-1甲子園2014王者・平本蓮が、インタビューに応じた。

 -プロ3戦目となった7月の野口陽平戦を振り返っていただけますか?

 平本 デビュー1戦目と2戦目が1RKOで来ていて、事前の作戦とは違っていたのですが、試合が始まってすぐダウンを奪ったので『今ここでやるしかない』と思って焦ってしまいました。2Rからは落ち着いて自分が狙っている攻撃を出していこうと思って、結果的に3Rフルに戦っていい経験が出来たと思います。

 -最初のダウンは予想外のものだったのですか?

 平本 そうですね。始まってすぐのハイキックは周りを驚かせようと思って蹴ったんですけど、ダウンを奪った右ストレートは相手がローを蹴った時にストレートを合わせて、それが入ってダウンになったという感じでした。僕的にはあの1発でダウンになって「相手はあまり打たれ強くないのかな」と思って攻めたのですが、実は打たれ強かった(苦笑)。しかもこっちが予想していないダウンだったので、少し僕の方が焦ってしまいました。

 -試合前はどんな試合展開を予想していたのですか?

 平本 デビューしてからずっとパンチでKOしてきて、パンチには自信があるんですけど、今回は蹴りでも倒せるところを見せようと思っていました。それで人を驚かせるKOはハイキックで倒すことだと思ったので、ローを効かせてハイキックで倒そうと思っていました。

 -作戦だけでなくどの技で倒すかまでシュミレーションしていたのですね

 平本 はい。1Rで相手の左目が腫れていたので、2~3Rのどこかでハイキックが当たるかなと思ったのですが失敗してしまいましたね(苦笑)。

 -KO勝ちこそ逃しましたが、プロのリングでフルラウンド戦えたことはいい経験になったのではないですか?

 平本 そうですね。すごくステップアップ出来たかなと思います。

 -野口戦の反省点を踏まえて、どんなことを意識して練習していますか?

 平本 僕が戦っている65キロは最激戦区と言える階級で、トップ選手の試合を見ていると、まず人目で分かるのがパワーの違いです。やっぱりテクニックだけでは補えない部分があるので、しっかり身体を作りたいな、と。同じ体格だったら誰が相手でも勝つ自信があるので、今は身体を作っていこうと思います。僕はまだプロ3戦目ですが、子供の頃からアマチュアで試合をしてきて、技術面だったらトップのプロ選手に負けないと思うんですね。もちろんまだ技術面でも直すところはありますけど、この選手だったら技術でも勝てるなと思うことはあるので、今は身体を作ることを意識しています。

 -そしていよいよ9月の後楽園大会で本戦デビューを飾ることになりました。決まった時の心境はいかがでしたか?

 平本 デビューしてから今まで大事に育てもらっているなというのが第一印象で、まだ僕も17歳なので不安もあるのですが、試合をしている自分を映像で見ていると「(本戦でも)やれるんじゃないかな」と思うこともあって。周りからも「次は本戦だね」と言ってもらえて、自分はもうプレリミナリーファイトでやる選手ではないと思うので、しっかり本戦でも素晴らしい試合をしたいです。

 -本戦で試合をするとなれば、本戦で戦っているファイターと同じ目線で見られて、タイトル戦線に絡んでいく権利を得たという見方も出来ます。平本選手はどんな野望を持っていますか?

 平本 野望はたくさんあります。今、K-1はより大きな会場で大会をやることやいろんなことを考えていると思うのですが、僕には1つ大きな夢があって…それはラスベガスのMGMグランドガーデンでK-1の大会をやって、そのメーンイベントで戦うことです。ボクシングやUFCは会場の盛り上がりがすごいと思うんですけど、それを見ていると悔しい気分になるんですよね。ボクシングや総合格闘技を見ていても、絶対にキックボクシングの方が面白いと思うし、なんでこんな素晴らしいスポーツがメジャーになれないんだろうっていう気持ちがあって。まだスポーツとして欠けている部分はあるかもしれないけど、エンターテインメントとしては他のスポーツよりも面白い部分はあると思います。

 この前の70キロトーナメントを見ていて、K-1復活と言えるのは70キロで日本人チャンピオンが生まれた時だと思うんですね。やっぱり70キロは他の階級よりも迫力があるし、どの階級のチャンピオンも素晴らしい選手たちですが、70キロは“黄金のミドル級”と言われるだけあって、他の階級のさらに上を行くものだと思いました。僕は70キロでK-1の世界チャンピオンになるという夢があるんで、将来的にはマラット・グレゴリアンをKO出来るようになりたいです。

 -将来的にはK-1 WORLD GP 70キロ王者になって、ラスベガスで試合をするという壮大な野望があるんですね

 平本 そうですね。今は65キロが一番面白くて、ゲーオがすごいチャンピオンとして存在していますけど、グレゴリアンみたいな怪物をKO出来る日本人が出て来て、70キロで日本人のチャンピオンが出てきたら、70キロが一番面白い階級になると思います。

 -それだけの可能性を周りが感じるような試合を見せたいですか?

 平本 はい。70キロで世界を取る日本人として、一番可能性を秘めているのは自分だという自信があります。K-1はK-1の路線を走って、そこで70キロの世界チャンピオンになれば、それが真の世界一だと思うんですよ。だから僕はそこを目指して頑張りたいと思います。

 ◆平本蓮(ひらもと・れん) 1998(平10)年6月27日、東京都足立区生まれ。3戦3勝(2KO)。173センチ。チームペガサス所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。