鉄壁のディフェンスは腕から崩す! プロボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(32=帝拳)が27日、9度目の防衛戦(9月22日、東京・大田区総合体育館)に向け、都内のジムで試合前最長の10回のスパーリングを行った。

 迎え撃つ前WBA同級スーパー王者モレノの強固な防御を意識し、陣営は左構えの相手の右の二の腕を攻略の糸口に定めた。ミット打ちでは、トレーナーが総合格闘技などで使用するサポーターを同箇所に装着し、パンチの軌道を何度も確認。担当する大和心トレーナーは「無理に顔を狙って空振りすれば相手のペースになる。馬力勝負なら負けないし、体に当てていくことで、ガードも甘くなる」と説明した。

 パートナーがスパー後に痛みで腕が上がらないことをアピールするなど、山中も手応えを実感。「顔に食らったらヤバイという恐怖感を与えたい。序盤であそこに当てて、自分のパンチ力を知ってもらう」と自信の表情で言い切った。それでも、WBA王座を12度防衛した最強挑戦者との一戦に、気持ちは引き締まる。「ストレート系以外のパンチの精度を上げていきたい」と課題も口にした。【奥山将志】