遅れてきた大器が、一発回答で世界を取る。プロボクシングのIBF世界ミニマム級12位原隆二(25=大橋)が28日、横浜市内のジムで会見し、9月27日に大阪府立体育会館でIBF同級王者高山勝成(32=仲里)に挑戦すると発表した。経験豊富な相手にも「スタミナと手数はすごいが、技術は自分が上。あとは勝つだけ」と勝利に自信をみせた。

 高校4冠の実績を残したが、卒業後は騎手を目指してJRAの競馬学校に入学。8カ月で退学すると、再びボクシングの世界に戻った。無敗のまま12年に日本、14年に東洋王座を獲得も、試合内容への物足りなさから、次第に「スランプ」と評価を下げていった。それでも、昨年10月の現WBO同級王者の田中恒成戦で、敗れはしたものの互角の打ち合いを披露し、復活を印象づけた。田中が次戦で世界王者となったこともあり「自分ももうひと頑張りすれば世界を取れる」とチャンスに備えてきた。

 中学生のころから原を知る、大橋秀行会長は「試合当日に車にひかれたり、寝坊して練習に来なかったり…。この試合に勝てば大物、負ければただの変わった人。やってくれると思う」と愛弟子に期待を込めた。【奥山将志】