IWGPヘビー級選手権は王者オカダ・カズチカ(27)が挑戦者AJスタイルズを破り、初防衛を果たした。外国人最強の実力者とレベルの高い激闘の末、30分15秒、レインメーカー3連発で勝負を決めた。

 国技館にオカダの雄たけびが響き渡った。AJの左手をたぐり寄せながら、右腕を一閃(いっせん)。勝利への執念をへし折るようにAJの体を1回転させた。3回連続のレインメーカーで激闘に終止符を打ち、16年1月4日の東京ドーム大会での防衛戦も決めた。

 「やっぱりAJは特別な相手。このベルトを東京ドームまでにしっかり輝かせることができた」。試合後のインタビューでオカダは胸を張った。7月の大阪城ホールでAJからベルトを奪取。8月のG1でも、終盤までブロック首位を独走し、王者の実力を誇示した。そして、この試合でも、互いに先の先を読み合う展開の中、AJの上を行く戦いで底力を証明した。

 試合後、オカダはマイクを握り「次は棚橋さん、あなただ」と宣言。リングに上がってきた棚橋とにらみ合った。棚橋には「IWGPは近いぞ!」と挑発された。今年の1月4日の東京ドームで、王者棚橋に敗れ、泣きながら花道を引き揚げる際「オカダ、IWGPは遠いぞ!」と言葉を浴びせられた。待ちに待ったリベンジのチャンスがやってきた。「棚橋さんにはレベルの違いを、レベルの違うかっこよさを、レベルの違う華やかさをしっかり見せて勝つ」と、2度目の防衛を誓っていた。【桝田朗】