【米シカゴ13日(日本時間14日)=奥山将志】決戦の地で「亀田節」が加速した。元世界3階級王者亀田興毅(28=亀田)が、16日のWBA世界スーパーフライ級王者河野公平(34=ワタナベ)戦に向け、シカゴ市内のジムで練習を公開した。順調な仕上がりぶりに口も滑らかで、報道陣を前に20分以上の“独演会”を披露。王者への挑発を繰り返すなど、4階級制覇へ自信をにじませた。

 軽めのシャドーボクシングのみで公開練習を終えた興毅は、報道陣を前に20分以上も冗舌に語り続けた。まずは、来月35歳を迎える河野の年齢を指摘。「もうおっちゃん。空(から)威張り、空元気。もう最後の残り火やん。ふっと吹いたらそれで終わりや」とまくし立てた。試合3日前にもかかわらず、血色、肌つやも良く、表情からは勝利への自信がにじみ出た。

 前日に約5週間キャンプを張ったラスベガスからシカゴ入りした。プロモーターから用意されたホテルは王者陣営と同じ。河野が顔を合わせたくないと漏らしていたことを伝え聞くと「俺はこんなに会いたいのにな。会いたくてしかたない~♪」と郷ひろみの歌まで披露。続けざまに、王者のKO宣言もばっさり。「それは無理! まあ頑張って」と鼻で笑うと、上機嫌にジムを後にした。

 バンタム級時代に減量で苦しんだ経験から、13年12月の王座返上後は1階級下のスーパーフライ級で戦うことを意識して体重調整を続けてきた。前日には納豆2パックやチキンサラダを食べるほど順調で、すでにリミットの52・1キロに残り400グラムまで迫っているという。約2年ぶりの世界戦に「自分でも怖いぐらい調子がいい。過去最高の、完璧な体ができた」と拳を握った。9月に次男大毅、三男和毅が米国のリングで立て続けに敗れた。亀田家にとって、まさに崖っぷちの一戦。興毅がベルトに照準を合わせた。