4階級制覇を目指した亀田興毅(28=亀田)が、王者河野公平(34=ワタナベ)に0-3の判定で敗れ、試合後に引退を表明した。バンタム級王者時代の13年11月のV8戦後に、自身の衰えを痛感。次に迎える世界戦をラストマッチにすると、ひそかに決めていた。挑発的なパフォーマンスで注目を集めた一方、ルールを逸脱した言動で問題も起こした。日本ボクシング界を騒がせ続けてきた男が、米国で約12年の現役生活に幕を下ろした。

<独占手記>

 最初に自分の衰えを感じたのはバンタム級での5度目の防衛戦でした。小さい時からボクシングをやって、体のいろんなところにガタがきていると感じました。韓国での試合(13年11月のV8戦)が終わった時に、ああ、俺はもうアカンなと。ボクシングのちょっとした歯車が狂い、修正できなくなっていました。

 17歳でプロになった時から、「亀田」という名前をいかに広めるか、それがすべてでした。だから人から好かれる、嫌われるは気にしていない。プロでやっている以上、注目されてなんぼ、見てもらってなんぼというのが自分の考えです。

 パフォーマンスとかも悪く言う人のことも分かるが、それが自分のプロとしての意地。どれだけバッシングを受けても、とにかくプラス思考でいることに徹していました。落ち込んでどうなる、悩んでも結局何も見えてこない、そう思ってここまでやってきました。おやじに教えてもらったボクシングで、3兄弟同時世界王者という記録も残せたし、一生胸を張って生きていけると思います。

 今後に関しては、具体的にどうというのはないですが、実業家として生きていきたいと思っています。もちろんボクシングへの思いもあります。自分が経験してきたものはたくさんある。将来的には自分より下の人に、それを伝えていきたいと考えています。応援してくださった人には、最後に良い報告ができずに申し訳ないですが、ありがとうございましたと言いたいです。(亀田興毅)