世界王者のパパになってみせる。今日28日のダブル世界戦の計量が、27日に仙台市内のホテルで行われた。WBCスーパーフライ級2位江藤光喜(27=白井・具志堅)は楽々1発でクリアした。昨年結婚したさくら夫人(26)が来年3月に第1子の長男を出産予定。減量もサポートしてくれた妻のためにも、23年ぶりの沖縄出身世界王者へKO宣言した。

 江藤は関門突破にもニコリともしなかった。これまで四苦八苦だった計量で、リミットを200グラム下回る51・9キロでパス。「今回はホッとしない。試合はもう始まっている。王者はつらそう」と標的に厳しい視線を浴びせ続けた。「沖縄、妻、子供のためにも」と、並々ならぬ決意でリングに上がる。

 さくら夫人とはデビュー前に知り合い、8年越しで昨年3月に結婚した。長男の出産予定日は来年3月28日。「ベルト持って立ち会おうかな」と待ちかねる。

 1階級上げた上に夫人が手料理で減量を支えてくれた。独身時代は塩味のぱさぱさな鶏肉を食べた。それがのりを巻いたり、工夫した味付けに「こんなおいしかったんだ」と楽しみになった。

 10月には故郷沖縄で3度目のキャンプを張った。激励会も開かれ、王者になれば後援会が発足する。地元は平仲以来7人目の王者を心待ちで、凱旋(がいせん)パレードも決まっている。

 「王者はKO率が高い。キックはないからパンチに気をつける」。江藤らしいコメントはこれだけだった。計量後はトマトスープを飲み、ステーキでエネルギー補給。「おれの手が上がる。KOのイメージはできている」とリングで沖縄魂を爆発させる。【河合香】