プロボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)が、「美食調整」でV10を果たす。前WBA世界スーパーフライ級王者リボリオ・ソリス(33=ベネズエラ)との10度目の防衛戦(3月4日、島津アリーナ京都)に向け、9日には都内の所属ジムで10回のスパーリングを敢行。キレのある動きを見せると「左のタイミングも合ってきた。良い状態で来ている」と手応えを口にした。

 試合まで1カ月を切り、特に重視しているのが食事だ。実戦中心の体を追い込む時期とあり、先月には地元滋賀の後援会に頼み、疲労回復効果の高いイノシシ肉を取り寄せた。「体がきつくなってくると食べたくなる」と、冷凍保存し、いつでも食べられる準備をしている。今月上旬には栄養価の高いスッポンをぺろり。都内の行きつけの店で、生き血のスープや鍋などに舌鼓を打った。

 「減量前のこの時期は食べる事が楽しみ。メニューを考えるだけで気分転換になる」と、前夜には好物のうなぎでロングスパーに備えた。練習前ですでにリミットまで5・5キロに迫るなど、調整は順調。日本人4人目の大台防衛がかかる一戦にむけ「まだまだ、上げていく」と拳を握った。【奥山将志】