3日死去したボクシングの元世界ヘビー級チャンピオン、ムハマド・アリ氏の公葬が10日に出身地の米南部ケンタッキー州ルイビルで営まれることが決まった。

 ビル・クリントン元大統領らが参列し弔辞を読み上げる予定。アリ氏の家族の代理人が4日の記者会見で明らかにした。死因は敗血症性ショックだった。

 代理人によると、アリ氏は呼吸器系の病気でアリゾナ州フェニックスの病院に入院、当初容体は安定していたが悪化し、家族にみとられながら3日午後9時10分に亡くなった。

 代理人はアリ氏の最期について「厳粛な瞬間だった」と振り返った。10日にルイビルでアリ氏を追悼するための行進も行われる予定で、公葬はインターネット上で公開される。

 国連の潘基文事務総長は4日、アリ氏が1970年代に国連本部を訪れ、アパルトヘイト(人種隔離政策)と人種差別撤廃を訴えたエピソードを紹介し、「平等と平和の世界チャンピオンだ」と功績をたたえる声明を出した。

 2005年に米国市民に与えられる最も栄誉ある勲章「大統領自由勲章」をアリ氏に授与したブッシュ前大統領は声明で「多くの人々を興奮させ、楽しませた歴史的な人物だ」と評価した。