「K-1 WGP 2016」が24日、東京・代々木第2体育館で行われ、注目の65キロ世界最強決定トーナメントは、現世界王者ゲーオ・ウィラサクレック(31=タイ)が、決勝でイリアス・ブライド(21=モロッコ)を2回2分25秒、KOで下して優勝した。ゲーオは1回戦でHIROYA(24)に1回36秒でKO勝ちし、勢いに乗った。

 ゲーオが執拗(しつよう)な膝蹴りで「モロッコのワンダーボーイ」の夢を打ち砕き、世界王座に続いて世界最強の称号も勝ち取った。ブライドとは4月24日のK-1大会で対戦。3-0で判定勝ちしていたが、いずれも30-29という僅差だった。この日も1回はガードを固めて前へ出てくる相手に手を焼く場面もあったが、2回序盤に得意の左膝蹴りで最初のダウンを奪った。すると、ひるまず前にきたブライドを2度目も左膝、最後も左膝でマットに沈めた。「相手はアグレッシブな選手なので強いパンチで攻めた。そうしたらスキができたので、膝を入れた」と勝因を口にした。

 卓越した技と試合運びで挑戦者たちをねじ伏せ、世界王者の貫禄を示したゲーオ。「今日のトーナメントで成し遂げたことを誇りに思う」と、超満員の観客にリング上で胸を張った。