初出場のケニー・オメガ(32=カナダ)が、外国人レスラーとして初めてG1クライマックスを制した。Bブロック1位のオメガは、Aブロックを逆転で制した後藤洋央紀と対戦。壮絶な死闘の末、26分49秒、変形の垂直落下式みちのくドライバー「片翼の天使」で決めた。オメガは来年1月4日東京ドーム大会でのIWGPヘビー級王座挑戦権利証を手に入れた。

 新日本にニューヒーローが誕生した。初出場のオメガが、大方の予想を覆し、新日本NO・1の称号を手に入れた。しかも、26年にわたるG1の歴史で初めて、外国人レスラーの優勝者となった。有力外国人が、次々と米国プロレス最高峰WWEへ流出する中、オメガが団体トップ級の実力を証明。「自分は新日本のマットで勝つことを夢見て14年間トレーニングを積み重ねてきた。今、夢がかなった」と喜びをかみしめた。

 08年、自ら売り込んでDDTに入団。そこから日本でのキャリアがスタートした。この日対戦した後藤がG1初制覇を達成した年だった。新日本の頂点を目指すオメガと、8年ぶりの復活を目指す後藤の、それぞれの思いをぶつけた死闘。勝利の女神はオメガにほほ笑んだ。WWEからも誘われているというが「新日本がオレのホーム。そっちには行かない」とリング上から宣言した。