12年ロンドン五輪銅メダリストが、リオ五輪メダリストを刺激にプロ第1歩を踏み出す。ボクシングのフェザー級清水聡(30=大橋)が27日、横浜のジムでデビュー戦を前に練習を公開した。9月4日にスカイアリーナ座間で、韓国フェザー級王者李寅圭と6回戦で対戦する。

 清水は1週間前までテレビにくぎ付けだった。半年前までナショナルトレセンで一緒に汗した仲間が、次々表彰台に上がった。重量挙げ三宅、卓球福原、競泳瀬戸、カヌー羽根田、レスリング吉田…。「連続でメダルをとったり、沙保里さんは銀でもすごいこと。負けられない。同じようにまた輝きたい」と、何よりの発奮材料になった。

 練習でスパーはしなかったが、ミットやサンドバッグに切れのあるパンチを打ち込んだ。「勝っていかないことには話にならない。ガッツある戦いを見せたい」。世界に迫るミドル級村田諒太から3年遅れの転向にも、大橋会長は2年で世界王者を公言する。「いいのが当たれば仕留めたいが、経験を積むために6回を確かめたい」。30歳のベテランルーキーらしく、焦りも高ぶりもなくデビューのリングを待つ。【河合香】