１２年ロンドン五輪銅メダリスト清水聡（３０＝大橋）が、プロデビューを５回ＴＫＯで飾った。

　韓国フェザー級王者李寅圭を相手に「まずは打たせてよけて、中盤からカウンターでいくつもりだった。最初は硬くなった」。メダリストもプロ初戦にさすが緊張した。それでも力の違いは明らかで、初回に左フックでダウンを奪った。２回からは相手が頭を下げて突進してきててこずったが、２回に右フックで２度目、４回にもダウンを奪った。その間に李は前のめりに再三スリップダウンしていた。「打たれ強かった。付き合ってしまった。判定にいくと思った」というが、５回に最後は左ボディーをねじ込むと４度目のダウン。カウント途中でタオルが入り、で５回２分１３秒ＴＫＯ勝ちした。

　リングサイドにはテレビのゲストで金メダルの村田諒太（３０）がいた。リング上でのインタビューで「気になった。早く追いつかないと。まあ、あいつの方が意識してます」と試合後も場内を沸かせた。「アマの顔の２人で頑張ろう」とも呼び掛けた。

　ＫＯパンチには「アマからボディーは得意。ニュースではあそこだけ使って」と会心の一発だった。自己採点を問われて「８０～９０点。あとは場慣れすること。プロは一戦が大事。グローブが小さく隙間から入ってくる。プロは華やかすぎる」とアマとの違いを実感した。「プロの技術を肉付けし、コツコツとやっていく。メダルがかすまないように」と話した。村田に遅れること３年でプロヘ第１歩。「世界のベルトをとって、なくさないこと」。リングでメダル紛失騒動にひっかけた今やお決まり宣言をした。１２月末に８回戦での第２戦を予定している。