角海老宝石ジムは15日、都内のジムで会見を開き、12月31日に京都でIBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチに挑む同5位小国以載(ゆきのり、28)が参加した。

 テレビ局が用意した王者ジョナサン・グスマン(ドミニカ共和国)の写真に、リクエストに応えてパンチするポーズを取るなどサービス精神旺盛だったが、兵庫県出身で「関西人やから」と真骨頂を見せたのは、「あ、これ、これ」とスーツのポケットから取り出したマスク。

 「3年前に東京に来るときに一緒に持ってきたやつですわ。300円くらいかな~。やっぱ『飛び道具』ないとあかんね」と、鼻に割り箸が刺さった絵柄のマスクを装着してファイティングポーズを取った。報道陣にやや受けに、「よかったわ~。また滑ったらどうしようと」と安堵(あんど)の表情。というのも、先日の後楽園ホールのリングであいさつした際には、人気漫画「進撃の巨人」の全身タイツ姿で登場したが、顔までスーツに覆われて一見して誰か分からず、「めっちゃ滑った」。今回は悪夢再来とならず、ほっとしたようだ。

 「試合では滑りませんよ~」と意気込むのは、「京都で試合はええですね。関西なら、つまらんかったら『つまらん』と突っ込んでくれるからね。あったかいね。安心してできるわ~」と期待するから。「さすがに入場の時はできんけど、勝ったらなんでもありでしょ。飛び道具出しまくりですよ!」と、この日のマスク以上の一発芸予告にテンションも上がる。

 もっとも、グスマンは23戦22勝(22KO)1無効試合というハードパンチャー。7月に大阪で行った防衛戦では、当時同級1位の和気と対戦し、ダウンを4度奪い、顔をぼこぼこにした上で11回TKO勝ちを飾っている。小国も「2対8で不利でしょう」と冷静に自己分析する。ただし、阿部トレーナーが「ある作戦を用意している」と明かすなど腹案はある。

 「次はない。一発勝負のチャンスだと思う」とキャリアの集大成として挑む世界初挑戦。試合の中でも「飛び道具」がさく裂すれば、番狂わせも夢ではない。