ボクシングのWBC世界スーパーバンタム級王者長谷川穂積(35=真正)が、現役引退を表明してから一夜明けた10日、神戸市・須磨区役所で行われた「青少年育成フォーラム・人権週間講演会」で講師役を務めた。

 約400人の参加者を前に、ボクシングや家族などについて約1時間熱弁をふるった。世界王座に返り咲いた9月の試合後に、現役を続けるか、引退するか2つの選択で迷ったことを明かした上で「選ばなかった方に悔いは残るけど、自分が選んだ方が正解と思った。選択した道が、正解だったと信じている」と話した。

 また、参加していた中学生に向けて「親と会話してほしい。少しでもいいから。母親が亡くなって、僕が思ったことなんです」と、親とコミュニケーションを取る大切さを訴えた。

 さらに、ボクシングで学んだ人生哲学として「自分自身に勝つことが一番すごいこと。ポジティブに考えていれば、必ずうまくいくことを忘れないでください」と熱く語りかけた。