ボクシングのWBA世界フライ級王者井岡一翔(27=井岡)の祖母ミツ子さん(72)が12日、大阪市内で「にしなり・きらめき賞」を受賞した。

 目立たないながらも頑張っている人に感謝の気持ちを示す同賞は今年新設され、大阪市西成区在住14年のミツ子さんが選ばれ、西成区人権啓発推進会から賞状と記念品が贈られた。

 昼と夜の仕事を掛け持ちしながら井岡の父一法氏と、元世界2階級王者の弘樹氏を育て、現在も自宅近くの和菓子店で週4日働いているミツ子さんのモットーは「質素に生きて、偉ぶらない。みんなに感謝する」。そんな姿勢をたたえられ、同賞第1号の受賞者となった。

 表彰式には、弘樹氏も訪れ「小学生のころ、お母さんは交通事故で腰を複雑骨折しながらも夜11時まで働いていた。お母さんが頑張っていたから、僕も厳しい練習に耐えて、世界チャンピオンになれた。母ちゃん、おめでとう」と祝福。ミツ子さんは「うれしい」と感激し「(孫の)一翔にはケガなくずっと勝ち続けてほしい。弘樹には、元気で家族仲良くやっていってほしい」と願っていた。