プロボクシングのWBOアジア・パシフィック・ミニマム級1位加納陸(19=大成)が6日、再起2戦目の詳細を発表した。

 兵庫・三田市内の所属ジムで会見を実施。5月5日に三田市総合文化センターで同級2位ジェリー・トモグダン(23=フィリピン)と王座決定戦を戦う。トモグダンは世界挑戦歴を持ち、34戦22勝(10KO)4分け8敗と経験豊富なサウスポーだ。

 加納は昨年8月、WBO世界ミニマム級王座決定戦で世界初挑戦。18歳9カ月4日の日本人最年少世界王者を狙ったが、高山勝成(33=仲里)に6回負傷判定で敗れた。相手のバッティングという不完全燃焼な結果だったが、映像を見返しても「余裕で負けています」。昨年12月の再起戦勝利を経て挑む強敵との一戦へ「(再起)2戦目でこんなにモチベーションが上がる試合ができると思っていなかった。世界戦に行くために落とせない」と力強く言い切った。

 世界再挑戦に向けては、冷静なスタンスだ。丸元会長は次戦が「陸のボクシング人生を左右する」とした上で「この間みたいな(最年少)記録もない。『これなら確実に世界を取れる』となった段階で、世界戦に向けた交渉に入りたい」と明言。足腰の強化など体作りに重点を置いてきた加納も「『今の陸だったら取れる』と思ってもらえるように。そこまで負けないこと」と自らに言い聞かせるように話した。

 4月1日からはジムの後援会が発足。この日の会見を機に会員募集が始まった。現在は幹部ら8人だが、福西文彦後援会長(49)は「2年後には5~600人にしたい。世界を目指す、頑張っている若い子たちをなんとか応援したい」とキッパリ。ジムの顔となる加納は「勝っていろいろな人に恩返ししたい」。こどもの日の勝利は、自らの道を切り開き、ジムの活性化につながる。