挑戦者久保隼(27=真正)が新王者に輝いた。7回に王者ネオマール・セルメニョ(37=ベネズエラ)にダウンを奪われ、劣勢で迎えた11回。赤コーナーの王者が突然、グローブを外し始めた。ゴングが鳴った後にレフェリーが陣営に確認すると「棄権」の意思を示し、久保の11回5秒TKO勝ちが告げられた。10回までの採点は、僅差ながら2人のジャッジが王者を支持していた。

 跳び上がって喜びを表現した久保は「うれしいより、安心感だけです。終わってよかった。ダウンをしても立て直すことができた」。ダウンを喫した際も、テレビ解説席のジムの先輩で元3階級世界王者長谷川穂積氏が「大丈夫」のサインを出し、落ち着くことができたという。京都出身者では初の世界王者となった。「それだけでも名前が残ってよかったです」と笑顔だった。