村田諒太の連載「世界の頂から頂へ」の第4回は、「村田がいま読む3冊」から、世界初挑戦に向けた心境を探る。アスリートでも無類の読書家が、手にした本とは-。

 村田に最近の読書遍歴を教えてほしいと聞くと、こう答えが返ってきた。

 「確かに、本の選択でどういう感情か分かるというのはある。どういうものを得たいのか、どういう気持ちになりたいかで選んでますね。実は最初から感動したいと思って選んでいるんですよね」

 まず1冊目。2月の沖縄キャンプの際に書店で手に取ったのは「失敗の本質-日本軍の組織論的研究」戸部良一他著。小池百合子東京都知事の座右の書として知られ、第2次世界大戦の日本軍の敗戦を考察する組織論だ。

 「世界戦で失敗したくないのがあったんでしょう。内容は失敗の原因は作戦がない、ピンチの時の対応がないという具体例の積み重ね。そのことは分かっているので、なかなか読み進まなくて(笑い)」